6.ヨシ原に住む/コマチグモ 母親を食べてしまう


ヨシの葉で作った巣ですが、ここは
産室のためにメスしか住みません。


毒性の強いコマチグモの仲間

 大淀川の平田橋の左岸はゆっくりとした右カーブになっていて、流れもおだやかです。この水辺には多くのクモたちが生活していますが、ヨシの葉を一回転させ折り曲げた巣の中に、コマチグモがいます。
 ヨシの葉に巣を作るのは、ヤマトコマチグモです。また、ススキの葉を丸めて作るのはカバキコマチグモです。

 この中で毒の強いのがカバキコマチグモですが、かまれても人が死ぬことはありません。
 このコマチグモ類は夏に産卵しますが、生まれた数十匹の子グモは二回目の脱皮が終わると、生きている母グモを
食べてしまいます。

 秋に巣を開けてみると、母親グモの強烈な母性愛の残骸が観察できます。巣を観察する時はクモに噛まれないように
注意しましょう。
 子供には「危険!」「気持ち悪!」と教えるのではなく、自然環境と生態を理解させる教育が必要なのです。