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1.我が町の普請文化 | |
【オンリーワン談義塾】 一点攻略に関する勉強会 語り部 牧野真珠男 (2008/12) (1) はじめに 我々の生活基盤となる道路や水路の整備や管理は、古来から住民の力で維持されてきたが、近現代になって公共工事は行政主導になって運営されるようになり、その財源は市民の税金で行われ『普請(ぶしん)文化』は完全に消滅したのです。 これまで地域の顔として『まちづくり』の役割を果たしてきた商店街も空き店舗が増え人通りも激減しています。行政の「次世代につなぐ町の復活!」の言葉は、その実現の条件と限界に気付いてはいない。これらは絵のないジクソーパズルに挑戦しているようなものです。 最近は「未知普請(みちぶしん)」の言葉を地域で使いますが、これは、従来の「道」に「未知」をあて将来を切り開く意味なのです。我が『ひとまち普請塾』も、未来への賑わいを信じ「ひと」と「待ち」をあてた「ひと待ち街路の再現」をこめたものです。 ※都城島津郷の山元松兵衛は文化年間(1804〜1818)に現在の西町の道路筋に弘法大師の石像を並べたて、人々に礼拝させ非礼の人物とされていたが、地元の竜泉寺坂の道普請に励んだと庄内地理志が述べています。このように古来から普請は高く評価されていたようです。 (2) 一点攻略の定義 物事は一部分だけを注目していると全体がつかめなくなる。反対に全体的に物事を見ていると大きな流れをつかみ、そこから高い視点が育まれてくる。そして物事の背後に存在する意味合いを見抜くことができるのです。しかも、今まで一部分しか見えなかった物事が大きく見える。これは物事を全体的に考えると今まで見逃していたほんの一部分の本質を見抜くことが出来るようになるからです。これが一点攻略法の定義なのです。 ※ある島では猪(いのしし)が毎年のように大繁殖をして住民に大きな被害を与えていたが、なかなか人々は猪を退治できなかった。ある日旅僧が「猪の大群を同時に追いかけるからだ」と指摘。猪を数頭ずつ分割捕獲する小規模な柵を多数つくらせ攻撃させた。猪の大群は驚いて分散して各々の囲いに入り容易に捕獲は成功した。それから島には平和な生活が蘇ったという伝説があります。この妙案は、島民の旧態依然の考え方を捨てさせたものです。都城における商店街の魅力をよそ者に考えさせたらどうだろうか。既存の経営者は全体規模を中心に考えるから妙案も浮かびにくいが、新しい現実を細分化して的を絞れば全国問屋のように簡単にアイデアが浮かぶものです。 ◆テーマ1 普請の心が漂う人待ち街路の再現をこめて… 昔は生活基盤となる道路や橋、水路は住民の協動で維持管理しました。近現代は行政が管理者となり普請精神は完全に消滅しました。ひとまち談義塾は失われた普請の心が漂う人待ち街路の再現を理念とします。 再現bP〈原稿募集中〉 |